Ask Riot: ユーミって必要?

さぁ、ユーミについて話しましょう。

Ask Riotへようこそ!

今週はみんな大好きなあのネコ、そして今後のゲームモードの特集です。


ユーミのことはどう思ってるの?

この質問には色々な答え方が考えられるので、まずはプレイヤーの皆さんが普段話題にしているトピックをベースにし、より具体的な質問に分解してみましょう。

  1. ユーミはどうして本物のネコでもプレイできるほど簡単なチャンピオンなの?
  2. そもそもユーミが存在する必要ってあるの?
  3. ユーミのバランスは取れていると考えているの?
  4. どうして今回のパッチで回復スキルのマナコストを大幅にナーフ(弱体化)したの?

ユーミはどうして本物のネコでもプレイできるほど簡単なチャンピオンなの?

実は私たちとしては、これは誤解だと考えています。その根拠として一番わかりやすいのは、ユーミとその他チャンピオンの習熟曲線比較でしょう。

チャンピオンの習熟曲線とは、プレイヤーが特定のチャンピオンを繰り返しプレイしていった場合にどれだけ効果的に扱えるようになるかを示す曲線のことです。指標としては、「勝率の推移」と「プレイした試合数」を用います。以下のグラフはユーミとチャンピオン何体かの習熟曲線を並べたものです。

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ユーミの習熟曲線はアカリやキヤナのようなチャンピオンと似たような形(20試合をプレイした後も勝率が上がり続けていく)で、すぐ頭打ちになるニーコやモルデカイザーとは異なります。

「覚えやすい」チャンピオンをすぐ使えるようになるのは、彼らをプレイする際に求められるスキルがそれ以前に他のチャンピオンで習熟した要素と同じだからです。例えばADCが新たにリリースされたとしても、遠隔通常攻撃でラストヒットを取る点や、適切な位置取りをして与ダメージを最大化する点は同じです。

一方でユーミを扱う上で習熟すべき点は、LoLの他のチャンピオンとは全く異なります。だからこそユーミの勝率は一定の試合数をプレイした後も上がり続けるのですが、これは同時に一部のプレイヤーがユーミを「難しいチャンピオン」だと思わない要因にもなっているのだと私たちは考えます。というのも、多くのプレイヤーが考える「LoLのプレイスキル」(たとえば位置取りや反射的な回避行動)がユーミには当てはまらない一方、彼女の場合は新しい要素に習熟する必要があるからです。

とはいえ、これでは具体性に乏しいので、以下にその「新しい要素」をいくつか列挙してみましょう。

  • 混乱を極める集団戦の中で、対象指定不可状態を解いて固有スキルを発動させるタイミングを見極めること。これには敵チャンピオンのクールダウンを把握しておくことが不可欠です。固有スキルをまったく活用できないユーミはシールドとマナ回復を得られず、そのポテンシャルを大幅に削がれます。しかし固有スキルを活用するタイミングを間違えれば、CC(行動妨害)を受けてデッドします。
  • 誰にくっつくべきかを見極めること。ユーミは一度に複数のチャンピオンをサポートできません。また回復はゼロ距離でしか使えないうえに、回復相手の位置取りは自分では制御できないため、味方と敵の行動を予測して行動する必要があります。失敗すれば極めて不利な位置に取り残されたり、最適ではない味方しかサポートできない状況に陥ったりすることになります。
  • Qの軌道を制御し、目標以外を迂回すること。こちらはよりシンプルですが、他に類似スキルはありません。
  • ゲーム内最低の移動速度と耐久力しかないことを踏まえて視界管理を行なうこと。これはすべてのサポートプレイヤーにとって普段の行動が高難度になるということで、ゲーム習熟度を試される要素となります。

上述の全要素が組み合わさり、ユーミは「他のチャンピオンとは異なる方向で」極めるのが難しいチャンピオンになっています(他のチャンピオンと異なる、という点ではシンジドも同列と呼べるかもしれません。敵から離れて活動することが前提となる彼のプレイスタイルは他のどのチャンピオンとも全く異なり、習熟には最大100試合近くプレイする必要があります)。

そもそもユーミが存在する必要ってあるの?

率直に申し上げれば、ユーミはLoLのチャンピオンラインナップにおいて、プレイスタイルとテーマの両面で独自の役割を果たしていると考えており、多くのプレイヤーが彼女を好んでプレイしているという明確なデータも存在しています。

私たちはチャンピオンの人気度深さ広がりに分けて評価しています。「深さ」はプレイヤーが対象チャンピオンをプレイする試合数の平均値を、「広がり」は対象チャンピオンをプレイするプレイヤー数(重複なし)を示します。この広がりと深さを2軸としてグラフ化し、チャンピオンの人気を総合的に把握しているのです。

そしてこちらがリリース以降のユーミの人気度です。グラフの一番細い線はリリース直後、一番太い線はパッチ10.12時点の人気度を示しています。

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注:このロググラフは各チャンピオンの人気度を相対的に示したものです。もしもグラフの目盛りを均等にしたら、ヤスオだけがはるか彼方のページに位置することになるでしょう。私たちがこれらのグラフをどう活用しているか詳細が気になる方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

このグラフでユーミの「深さ」を見てみると、多くのプレイヤーが(客観的に見ればかなり弱い状態にあるパッチですら)熱心かつ継続的に彼女をプレイしていることが分かります。また幅広いプレイヤー層で一定以上の勝率を出している状態では、「広がり」の面でもサポート屈指の人気を示しています。チャンピオンチームが掲げる優先目標のひとつに「誰もが自分にぴったりだと思えるチャンピオンラインナップを提供する」というものがありますが、ユーミの深さと広がりのデータは彼女がその目標を達成していることを示していると言えるでしょう。

一般的にユーミプレイヤーはLoLの協力プレイ要素(チームプレイ、連携、味方との関係構築)に対する興味が強いと私たちは考えています。ユーミはその需要を満たし、またそういった方向性に適したチャンピオンテーマを備えているというのが私たちの見解です。

ユーミのバランスは取れていると考えているの?

直近の変更を除けば(こちらについては後述します)、「いいえ」と答えるのが正しいでしょう。長い間ユーミはバランスが取れていると言える状態ではなく、ゲームの健全性という側面から見ても良い状態にはなかったと考えています。 

ユーミとゲームの健全性の関係で我々が取り組み続けてきた最大の課題は、ユーミに対するカウンタープレイの余地を十分に用意することでした。この課題が継続的に解決された状態になかったからこそ、1) 対戦していてイライラする、2) 「お手軽」チャンピオンと思われたり、ユーミに勝者の資格がない、という声が高まったりしたのでしょう。

ユーミとの対戦はこれまでフェアと呼べなかったという点には私たちも同意します。しかしそれは「ユーミは存在すべきではない」という答えには帰結しません。ただ私たちがカウンタープレイの余地を十分に提供できるように、よりクリエイティブな解決策を提供する必要があるだけです。具体的には、ユーミが味方の背中に乗り続ける安全を捨てて敵と対峙する必要性が生まれるように対処していきます。

どうして今回のパッチで回復スキルのマナコストを大幅にナーフ(弱体化)したの?

今回の各種変更は、ユーミが固有スキルを生かさないと活躍できない状況を作り出すためのものです。つまり定期的に味方の背中を離れ、敵と対峙しなければならない状態を作り出すために。

前回ユーミに大規模な変更を加えたパッチ9.24では、Wに詠唱時間を加え、CCを受けると詠唱が解除されるようにする変更を入れました。この変更は味方の背中から離れたユーミの打たれ弱さを対戦相手が突きやすいようにし、ユーミを捉えたら有利な状況を作れるようにすることを意図したものでした。しかしその後アイテムやルーンを活かしてマナを維持することが可能になると、味方から離れる必要がなくなってしまったため、変更は想定以下の効果しか出せませんでした。そしてユーミは敵に止められることなく(実質的に)味方の回復ボットとして動けてしまうようになったのです。

ユーミをLoLにとって健全なチャンピオンとするには、敵チームがユーミに干渉できるチャンスを作る必要がありました。今回、回復スキルのマナコストを最大マナの割合に変更したのは、アイテムやルーンによるマナ回復に影響されることなくバランスを変更できる調節弁のような役割を持たせ、ユーミが固有スキルを発動させねばならない状況を作り出すための措置でした(これは当初からの目標でしたが、これまではユーミに抜け道を発見されてきていました)。今回の変更により、ユーミが効率的にプレイしようとすると敵チームにカウンタープレイの余地を与える状態が試合開始から決着まで一貫して生まれるようになることを願っています。そうなれば彼女との対戦は、過去よりもずっとフェアだと感じられる(あるいは対戦する際のフラストレーションも大きく低減される)でしょう。

では以上を踏まえた上で、改めて質問に回答しましょう。

ユーミのことどう思ってるの?

私たちの答えは…ユーミはプレイスタイルの独自性が高く、多くのプレイヤーの共感を集めるものになっているため良くできたチャンピオンだと考えていますが、同時にLoLの健全性を維持するためにはカウンタープレイの余地をしっかりと確保する必要がある、になります。

サモナーズリフトチーム


今後の期間限定ゲームモードの予定は?

次はサマーイベントの一環として「ネクサスブリッツ」が登場します。現在はPBE(パブリックベータ環境)でテスト中で、ゲーム内イベントと報酬の追加に加え、マップの見た目も一新。アイオニアの森に生まれ変わっています。

ネクサスブリッツの次は、イベントに合わせて「ワン・フォー・オール」が予定されています。

なおゲームモードについては全体的に質問が数多く寄せられているので、今後の計画や方向性についてまとめたブログ記事を今年後半に投稿する予定です。

HBBONG モード プロダクトリード


3個めの質問はどこ?

ここです。

bananaband1t マネージングエディター


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