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コンペティティブゲームプレイ - ミッドイヤー

プレイヤー行動システムとコンペティティブシステムの現状の考察と今後について。

Dev作者Riot Codebear
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前回、LoLのコンペティティブの方向性について語った際には、特にClashについて言及しました。それ以来、私たちはプレイヤー行動システムの順次リリースと、マッチメイキングやランクシステムなどのサービスの「持続可能な開発」に集中していました。また、リーグクライアントチームとともに、チャンピオン選択の不具合や試合開始時のぎこちなさなどのシステムの不安定性を見つけて排除する作業も行っていました。コンペティティブシステムは将来的に大規模な計画を予定しており、既存のサービスを最新のものに維持することで新たな改善を推し進めることが可能になります。この維持作業が落ち着いてきたので、今回はコンペティティブゲームプレイ部門が優先する核となる問題のいくつかについてお話しします。

プレイヤー行動システムの現状

プレイヤー行動システムの前回のアップデートは対戦回避とAFK(離席行為)のペナルティーに焦点を当てたもので、7月半ばにフォローアップの報告を行うとお約束していました──それがこのブログです。先日、対戦回避に対する独自のアップデート(不具合の対応に時間を要しているため、この変更は次回のパッチ11.16から順次リリースが始まります)についてお伝えした際に、数週間後にAFKでも同様の報告を行うとお伝えしていました。そのため、今回は内容が短めになります。

LoLのプレイヤー行動システムチームの規模を組織的にさらに拡大して、より充実したプロジェクトを実施できるようにしたいと考えています。これらのプロジェクトは、イニシアチブ目標内の以下の問題のサブセットに焦点を当てたものとなります。

検出とペナルティー

“迷惑行為の発生を抑制する”

  • より高い精度に基づく報告:意図的なフィードを検出する精度ベースの手法の結果は良好で、初期のテストではヘイトスピーチや言葉による攻撃、AFKなどの他の迷惑行為にも順次リリースすることで同様の改善が見られることが予想されています(前者2つはテキスト評価システムへのアップグレードとメリットが重複します)。ライアットのすべてのゲームに携わるセントラルサービスチームとの緊密な協力が必要となるので時間がかかりますが、2021年中のリリースを目指しています。
  • 言葉による攻撃の検出とペナルティー:システム内部の機械モデルが意図的なフィードとAFKにおいて継続的に機能していることから、言葉による攻撃の問題に注目して、新たなテキスト評価システムの性能を評価する機会が得られました。姉妹チームのセントラルプレイヤーダイナミクスと協力する時間を設ける予定なので、取り上げるべき問題が特定されましたら、その後の予定に関する情報を詳しくお伝えいたします。

嫌がらせの軽減

“他のプレイヤーへの迷惑行為の影響を抑制する”

  • チャンピオン選択時の報告 - ペナルティー:これについては過去9ヵ月間に渡ってお伝えしてきており、“まもなく”登場するとお約束していました。しかし残念ながら、この約束を実現することができていませんでした。現時点では、該当するカテゴリーが存在する場合に、チャンピオン選択時の報告と試合後の報告のカテゴリー(とペナルティー)を結びつける方法を模索しています。年内にチャンピオン選択時に直接ペナルティーを与えて影響を軽減するシステムを導入したいと考えています。チャンピオン選択時に即効性のあるアクションを導入する予定で、試合に影響を与えるピック/バンを抑止する方法や、ロビーを即座に閉鎖する可能性も検討しています。後者が導入される時期は明確ではありませんが、ペナルティーの統合においては前者を優先して、できる限り早く導入します。

チームの規模が拡大されるまで、どうかもうしばらくお待ちください。これがオンラインマルチプレイヤーゲームをプレイする際にフラストレーションがたまる部分であると思っていますので、個々の事例だけでなく、全プレイヤーに向けて長期的なシステムによるソリューションを機能させるように取り組んでいきます。

コンペティティブゲームプレイの現状

前回のプレシーズンに、ランク戦に様々な改善が導入されて、個人のスキルの特定がほぼ理想に近い形となりました。全体としてランク戦の対戦品質が大幅に改善しており、ランク戦の99%で対戦相手とのランク差をディビジョン半分以内、チームメイトとのランク差をディビジョンひとつ以内に抑えることができています。この数値は一日のピークの時間帯に近づくほど改善します。

この結果には非常に満足しており、これによってより細かな問題に的を絞って対応し、粗い部分に磨きをかけることが可能になりました。そこで、既存のマッチメイキング条件の変化への対応や、LP減少ポリシーの調整、ずっと先延ばしにしていたソーシャル体験の改善などを行います。それでは、これらのトピックを詳しく見ていきましょう。

マッチメイキング

“待ち時間や安定性を犠牲にすることなく、キューのマッチメイキング品質を高める”

  • 人気ポジションの考慮&どこでもオプション:人気ポジションは一日を通じて変動しますが、現在のアルゴリズムは私たちが望む基準では機能していません。初期のテストでは、人気ポジションの算出方法を改善すれば、どこでもオプションの発生割合を全試合の0.6%以下に抑えられる可能性があります(現在は2%~5%)。さらに、これによってどこでもオプションが大幅に改善するだけでなく、高確率でMMR帯で対戦待ち時間が最大10%短縮される可能性があります。

これは全体としても大きな改善ですが、ひとつのポジションに特化したプレイヤーにとっては特に大きな改善となります。これらの改善を導入する前に、サブポジションの適用率が大幅に上昇しないかどうかを確認する必要がありますが、テストが完了次第、これらの改善をできる限り早くお届けするつもりです。

  • プリメイドメンバーのスキルバランス:2020年に、プリメイドグループ同士のスキル格差のバランスを取るプリメイド均衡発生率が導入されました。現時点では、各チームのプリメイドメンバー間のスキルバランスを改善する追加のフィルターの導入を模索しています。
  • マップサイドの優位性の考慮:理論上は、完全に対等なチーム同士が対戦した場合、マップのレイアウトが理由でブルーチームが少しだけ有利になります。この優位性を相殺するために、マッチメイキングではレッドチームの平均MMRを少しだけ高くしています。このブルーサイドの優位性の影響力はパッチごとに変化するので、マッチメイキングのサイドに応じた補正を随時変化させる方法を模索しています。

ランク戦

“やり込みの満足度を高め、もっとスキルをアピールできるようにする”

  • ランク戦のLP減少:最高位ティア(マスター以上)およびダイヤモンド上位のプレイヤーが数週間プレイしない状態が続いた際に、私たちの想定以上にLPが減少しており、見た目のランクが実際のスキルレベルよりも大きくかけ離れていました。これによってミスマッチが発生して、やる気を削がれる状態となっていました。LP減少の意図はランキングの上位に現在最高のプレイヤーを位置させることであり、数週間の休憩を挟んだプレイヤーを不釣り合いなスキルレベル帯に落とすことではありません。現在、LP減少率を改善する方法を模索しており、シーズン終了までに、なるべく影響の少ない形で導入したいと考えています。
  • 他のプレイヤーとの比較:ランク戦では知らない人とチームが組まれ、その後は二度と対戦が組まれないことも珍しくなく、そのためにプレイヤー間でつながりを感じることが難しくなっています。そこで、より個人的な社会的比較のランキングを見やすい場所であるランク戦のロビーに導入することを検討しています。これは最初のバージョンがまもなく導入される予定で、プレイヤーからのフィードバックに応じてさらなる改善が可能かどうかを判断します。ランク上位を目指す戦いにおいて、フレンドや知り合いとの競い合いが加熱することを楽しみにしています。

コンペティティブ褒賞

“報酬および褒賞を、LoLに費やした時間に見合うもの、そして他のプレイヤーに認識してもらえるものにする”

  • フレックス褒賞:昨年以来、プレイヤーがフレックスキューでグループを組んでランク戦に費やす時間が少しずつ増加しています。そこで今シーズンはティアごとのクロマで、ソロ/デュオとフレックスの2つのバージョンを提供する予定です。これによって各実績の違いが明確になり、フレックスでランク上位を目指すチームに他者との違いを示すことができる褒賞の獲得を目指す目標を提供できます。
  • Clash報酬の視認性の向上:仲間と一緒にClashの激しい戦いに挑むのはスリリングで、まさに私たちがLoLに求めている体験です。しかし、現状ではトーナメントで最初の2試合に敗れてしまうと、プレイヤーがモチベーションを失ってしまうというデータが見られています。これは、個々のトーナメントおよびシーズン全体を通して、それでもまだ獲得可能なものが存在することを私たちが十分に伝えられていないことが一因であると考えられます。

手に入るトロフィーやバナー、勝利ごとに獲得可能な戦利品をスナップショットで表示したり、シーズンを通して獲得したVPを記録したりと、参加するプレイヤーに向けて、Clashで獲得可能な報酬をもっと分かりやすくアピールしたいと考えています。現在のシーズンで小規模な改善を実施する作業を行っていますが、2022年のシーズンには、トーナメント開始時から何が手に入るのかが明確になるように、さらなる改善を予定しています。

今年の後半もエキサイティングなゲームプレイを楽しんでいただけるように作業を続けています。コンペティティブ部門の改善の進捗状況や導入される新要素など、今年の後半も定期的に最新情報をお伝えしていきます。それではいつも通り、ランク上位を目指して、サモナーズリフトでお会いしましょう。

-Cody ‘Riot Codebear’ Germain



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