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LoLの最新ゲームモードの概要

Dev作者Riot Maxw3ll
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皆さん、こんにちは。ゲームモードチームのデザインリードを務めているDaniel “Riot Maxw3ll” Emmonsです。今回は、「アリーナ」についてお話しします。要約を記事の冒頭に記載しますので、読んでもらえればゲームのプレイ方法はすぐにわかると思います。ですが、私たちの決断の裏側まで知りたいという方は、そのまま読み進めてください!

アリーナ:プレイ方法

  • ステップ1:対戦待ち - アリーナは、ひとりでソロでも、友だちとデュオでも対戦待ち可能です。
  • ステップ2:ピック/バン - 全員がチャンピオンを1体だけバンすることができます。その後、敵のピックが見えないブラインドスタイルのピックに移行します。ミラーマッチも可能性としてはありますが、同じチームで同じチャンピオンを使うことはできません。また、ルーンもサモナースペルもありません!(これの詳細は後述します)
  • ステップ3:ファイト! - アリーナの各試合は、複数ラウンドで構成されており、各ラウンドには購入フェーズと戦闘フェーズがあります。購入フェーズでは、オーグメントの選択や、アイテム購入のためのゴールドを獲得できます。その後、戦闘フェーズに移行して、対戦相手と戦います。各戦闘フェーズでは、2vs2で戦います。勝利するとチーム全体の体力を保つことができ、敗北すると体力が減少します。そして、最後まで生き残ったチームの勝利!簡単ですよね?これがそんなことないんです!戦闘の盛り上げ役として、ソウルファイターのサプライズ出演もあります。そのため、ラックスのレーザーによる誤爆やシャコのおふざけには気をつけましょう。勝つのは、思ったよりも簡単ではないかも。上位2チームまで勝ち残り、ウッドからグラディエーターへのランクを駆け上がっていきましょう。
  • ステップ4:再びファイト! - 自分のチームが敗退してしまったら、その時点でゲームは終了。ですが、すぐに対戦待ちをして、その無念を晴らすことができます!もちろん、最初からすべて勝つつもりですし、負けるつもりなどありませんよね!最後まで戦い抜き、勝利を手にして、連勝し続けましょう!


でも、どうして?

ArenaStart.jpg

私にとってLoLは、常に模索の旅です。160体を超える数のチャンピオン、100個以上のアイテム、サモナースペル、5つのロール…試すことは無限大です。しかし現在は、この豊富な要素を色々と試すことができる主な場所は…5vs5の競技性の高いゲームであるサモナーズリフトになっています。

サモナーズリフトも素晴らしいですが、あらゆる創造性やスキル表現を完全にできているわけではありません。そのため、LoLの新ゲームモードを開始することになった際、ひとつの疑問を呈しました。「このような無限の可能性を、真に模索できるようなバージョンがLoLにあったとしたら?」と。

いざ、アリーナへ:LoLとチームファイト タクティクス(TFT)をかけ合わせることで、より素早く試合が進み、大きなパワーアップを体感してもらい、突拍子もない戦略を立てたくなる。これらに焦点をあてました。プレイヤーは友だちと一緒にチームを組み(もちろんソロキューもOK)、2vs2戦で他のペアと戦います。チャンピオンのプレイ方法すら変えてしまうような強力なオーグメントを手にして、お馴染みのお気に入りアイテムを購入し(アイテムは完全に新しいものもあります)、試合を少しでも盛り上がるものにしたいソウルファイターたちのために華麗に舞いましょう。すべての戦闘が終わり、最後まで生き残ったチームが勝者となります。

ルーンとサモナースペルはどこ?

質問、ありがとうございます!ルーンもサモナースペルもありません。アリーナという舞台では、ルーンはあまり楽しいものではなかったため、今回は完全にシステムから外しました。つまり、うまく扱うことができない(ファーストストライクのゴールドスケーリングや、長い時間を必要とする魂の収穫のスタックなど)、もしくはそれほど多様性がない(プレイテストを行った全員が征服者を取ってすぐにスタックし始めました)という結果になったのです。

サモナースペルについて、フラッシュ自体の使いどころはありましたが、それ以外のサモナースペルは、各ラウンドにおいて単に対象指定スキルの代わりとなっただけでした(イグゾーストのトレードをしてても、おもしろくないですから)。そこで、うまくいっていたサモナースペルを維持し、もうひとつを(「逃亡」という)小さなスペルで埋めていますが、これに関して、後ほどお話しします。 

この結果、試合に素早く突入することができ、試合中に手にすることができる新しいパワーアップをより強調することになりました。

アイテムによるパワーアップ

ItemShopArena.jpg

アリーナにおいて、アイテムは少し異なった働きをします。最初の2回の購入フェーズでは、各プレイヤーが1,000ゴールドを手にします。これで初期アイテム、その後ブーツを買うことができます。厳密に言えば、どちらを選択しても構いません。ですが、初期アイテムの性能が非常に高いので、最初に購入することをおすすめします。ブーツと初期アイテムを手にした後、購入フェーズのたびに3,000ゴールドが手に入ります。ショップの全アイテムのステータスは、3,000ゴールドの価値となるように調整してあります。素材アイテムなし。カルもなし。ロングソードを3本装備するラウンドもないです。完成したアイテムのみ購入できます。つまり、各ステージで好きなアイテムを購入しても、対戦相手とはほぼ対等な強さであるということです。

一見すると、これはそれほどすごい仕組みではないと思うでしょう。しかし、LoLの中核であり、かつアリーナではうまく機能しなかったメカニズム──「スノーボール」を対処するためにとても重要だったのです。序盤をうまく立ち回ることで試合の結果が大きく左右したり、自身の腕前に対してさまざまな方法で見返りが得られるのが、LoLの楽しい部分なんですけどね。

序盤のレーン戦で有利を得ることにより、試合をどのようにプレイするかのコントロールを得ることができます。それに対して、対戦相手は他のところでその差を埋めることを考えなければなりません。しかしアリーナには、その「他」がないんです。戦闘の必要があっても、大差ある状態での戦闘は楽しいとは言えません。そこで、すべてのチャンピオンがアイテムという手段で、ほぼ同じスピードで強くなっていくようにしたいと考えました。またそれと同時に、異なるメカニズム「ジュース」で、さらなる戦略を立てられるようにしました。

オーグメントが手に入るフェーズ以外では、必ずゴールドが得られます。ただし、余ったゴールドもアリーナでは有効活用できます。実際、敵チャンピオンを1体以上の倒すことができれば、350ゴールドが手に入ります。そして、700ゴールドで1ラウンドのみのブーストが可能になる「ジュース」という新しいタイプのエリクサーを購入できます。これが、序盤に強いチャンピオンをプレイした場合の見返りとなるでしょう。序盤に多くのキルを獲得し、ゴールドを手にして、後半にやってくる厳しいラウンドに備えてジュースをいくつか購入しておくのです。ジュースは1ラウンドで効果が切れてしまうので、あくまで短期間のパワーブーストでしかありません。オールインして挑みたいなら、1ラウンドにつき各種類のジュースを最大1個ずつ購入することもできます。リスクのあるプレイが希望なら、1ラウンド早くアイテムを購入できるだけゴールドを節約することもできます。

オーグメント世界

なかなか聞かない言葉ですよね。私も初めて聞きました。

アリーナにおけるオーグメントは、TFTのものとかなり類似しています。特定の購入フェーズではゴールドの代わりに、プレイヤーは3つのオーグメントから1つを選択可能で、さまざまな強力な能力を授けてくれます。オーグメントは、シルバー、ゴールド、プリズムの3つのティアに分けられています。

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オーグメントのバフは、通常のLoLに存在するものよりもずっと強力です。クールダウンが大幅に短くなったり、チャンピオンがものすごく速くなったり、スキルが常にクリティカルになったり…チャンピオンのスキルとおもしろい組み合わせができるようにデザインされているので、チャンピオンのテーマを拡張(オーグメント)します。そしてプレイヤーは、とんでもない状況にも適応しなければならないのです。これは新たなサモナースペルについてもなんです。

先ほどアリーナでは、フラッシュ以外のサモナースペルに楽しさを感じられなかったため、フラッシュの他に「逃亡」という少し弱めのサモナースペルを導入したとお話ししました。特定のオーグメントで、この「逃亡」を様々なクールな新スペルに変更できます。これはお馴染みのものもあれば、そうでないものもあります。「発動オーグメント」と呼ばれ、キャラクターの戦い方を全面的に変えてしまうのです。ゾーニャの天啓を手に飛び込んだり、転送マジックで躊躇うことなく突っ込んでもいいんです。既成概念にとらわれず、最大限に活用することで、これらの新スペルはこれまでにない戦い方を実現します。

皆さんが試すであろうもうひとつのビルドは、特定のキーワードを中心に構成されています。たとえば、自動的に発動するオーグメントで、炎上効果を付与します。もちろん、これだけではなく、オーグメントには徹底的に取り組んでいるんです!他の同種オーグメントを強化するための、特定のオーグメントを追加しています。

これらは、ゲーム内で複数見つけると非常に強力です。(レアですが)この目で見たのですから、その強さは保証します。前までは、マップ上でランダムにブリンクして、インビジブルになる自動オーグメントがありました。ランダムかつ強力なブリンクは、最終的にクールダウンが4秒間まで下がり、まるで忍者の夢を叶えたケネンのようでした。あの時ほどプレイテストで笑ったことはありません。皆さんがどれほどのスーパーコンボを考え出してくれるのか、今から楽しみです。とんでもないコンボを見つけたら、ぜひシェアしてください!

いざアリーナへ

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これほど壮大な戦いが行われるのですから、それに相応しいアリーナを作る必要があると考えました。2vs2の戦闘用に独自の空間を作ることは、このモードの作業の中で難しい問題でした。初期プロトタイプのアリーナには、古いゲームモードのマップの小さなセクションを利用していましたが、よりカスタマイズが必要であるとすぐ気づきました。結果的に、ゲームプレイを正しい方向に導くいくつかの仕組みが追加された、4つの特徴的な戦闘空間ができあがりました。ここから、「深海」と呼ばれる新たな地形タイプと、「パワーフラワー」と呼ばれる新たなプラントが生まれました。

深海は2つの点を除いて、他の地形と変わりません。その異なる点は、視界を遮らないということと、キヤナのスキルなどは水として扱われるということです。また、プレイヤーの視界をそこまで遮らない地形を作りたいと思い、次第に狭くなっていく火の輪でおもしろい状況を作り出したいと考えました。これは、プレイヤーがマップと戦っているように感じるのではなく、対戦相手と戦っているように感じるようにすることが重要です。なので、プレイヤーが悪用できてしまう視界の抜け目のようなスペースをなくすために深海を用いたんです。

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パワーフラワーはいくつかの機能とユニークな発動メカニズムを持つプラントです。プラントを攻撃したプレイヤーには直接、回復、シールド、一定のクールダウン短縮が付与されます。これまでのLoLのプラントを使用しなかった理由は、遠距離チャンピオンにも公平にするためです。狭いアリーナでは、近接チャンピオンの方が断然有利です。そのため、近接チャンピオンを近づけないようにするタワーがない世界において、遠距離チャンピオンが戦うことができる環境を整えるために多くの作業を行いました。離れたところからフラワーのバフを獲得できるということは、煩わしい近接戦闘を起こさずに手に入るオブジェクトとなるということです。

特別出演

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アリーナには、ソウルファイターをテーマとするチャンピオンが時々現れ、戦闘をかき乱していきます。モードをテストする過程で、独自のアリーナが4つしかない状態では、思い描いていたラウンドごとの多様性を十分に実現できていないと感じました。プレイヤーは、どのラウンドでもマップ上では一定の動きをする傾向にあるため、毎ラウンドで同じ場所が肝となっていました。そこで、これに変化を与えるようなメカニズムを、もうひとつ追加したいと考えました。アリーナ担当のもうひとりのデザイナー、Stash “Riot Stashu” Chelluckが、ソウルファイターのテーマに寄り添った解決策を持ってきたのです。そう、特別出演です。

プロレスでトップロープから関係のないファイターが参戦してくるように、特別出演ではソウルファイタースキンをまとった10体のチャンピオンがランダムに参戦し、戦闘に影響を与えます。各チャンピオンには独自のメカニズムがあり、それぞれの戦闘をよりおもしろくしてくれます。ラックスは、最初に見つけたファイターに向かってアルティメットを放ち、アリーナを一掃します。セトは体力が尽きるまでダメージを受け続けます。そして、ラストヒットでセトを倒したチームの対戦相手をセトが攻撃します。シャコ?シャコは走り回って、シャコらしいことをするだけですよ。特別出演における私たちの目標は、試合ごとにバラエティーを持たせ、アリーナをプレイするのが、1回目であれ20回目であれ楽しい体験にすることです。

名誉ある退場

しかし、ロビーに集まった他のチームがとてもラッキーだったり、自分のオーグメントが思った通りにいかなかったりしたらどうでしょうか?このモードには、早期退場の機能があります。つまり、敗退してしまったら、その時点で他のゲームの対戦待ちができるのです。これにより、試合終了まで付き合う必要はなくなります。退場するかどうかを確認するポップアップが表示され、その後すぐに次の対戦待ちをすることができます。この機能のおかげで、毎試合勝たなければ、というプレッシャーが軽減されます。うまくいかなければ、次のゲームではうまくいくかもしれないですし。

ランクシステム

RanksArena.jpg

「敗退した後にゲームを退場できるのはいいけど、負けるつもりなんてないですよ」ですよね!皆さんには、とんでもないオーグメントの組み合わせで、ぜひ実験していただきたいと思っています。ですが、何も見返りがなければオーグメントの研究も難しいかもしれません。そこで、ランクシステムを導入しました。このゲームモードがどんなプレイヤーにとっても魅力的なものとなるように、TFTから着想を得て、ハイパーロールのように駆け上がることができるランクを追加しました。ランクは下から順に以下のように設定されています。

  • ウッド
  • ブロンズ
  • シルバー
  • ゴールド
  • グラディエーター
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さあ、アリーナのグラディエーターになれるでしょうか!?ゲームモードを始めて、試してみてください!上位2チームに入ることでポイントを得ることができ、下位2チームに入ってしまうと失います。すぐに勝とうとしなくても大丈夫です。というのも、最初の5試合は敗北時のポイント減少が緩和されます。つまり、この5試合ではポイントを獲得することはあっても、失うことはありません。

ただし、ここでひとつ注意点があります。最後に新ゲームモードをリリースしてから、かなりの月日が経っています。皆さんが新しいゲームモードを楽しみに待っていてくださったこともあり、私たちもこの夏のイベントまでに何としてでも間に合わせるよう、努力を重ねてきました。完璧でない部分や、足りていない要素などにお気づきになるかもしれません。今回のリリースでは、完璧まで洗練させるのではなく、できるだけ早く皆さんにお届けして、楽しんでいただくことを優先させました。ですが、ご安心ください。完璧でない部分を修正した後に、再び登場させる予定です。

チーム全体がこのゲームモードのリリースのために注力しました。そして、多くのLoLプレイヤーに喜んでいただける特別な体験を作り上げることができたと自負しています。私たちがプレイして楽しいと思ったくらい、皆さんにも楽しんでいただけることを願っています。いつもLoLをプレイしていただき、ありがとうございます!それでは、アリーナでお会いしましょう!



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