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/dev: ゲームモードの現状

TFT、ARURF(オール・ランダム・ウルトラ・ラピッド・ファイア)、ネクサスブリッツ、ランダムミッド、ツイステッドツリーラインなどの今後。

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前回リーグ・オブ・レジェンドの各種ゲームモードの現状についてお話ししてから、実に色々な変化がありました。そこで今回は、チームファイト タクティクスが全世界的にローンチを終えたこともあり、改めてゲームモードの現状と今後の方針についてお話してみたいと思います。

この一年で、サモナーズリフト以外のゲームモードに対する私たちの目標は大きな変化を遂げました。これまではリーグ・オブ・レジェンドの核となるゲームプレイにヒネリを加えたモードを模索し続けてきましたが、「オデッセイ: 脱出」、「スターガーディアン」、「PROJECT// オーバーチャージ」などは最初こそ楽しんでいただけたものの、皆さんの関心を長く引き続けることはできませんでした。プレイヤーの皆さんは新しいモードをワクワクしながら「試し」たものの、目新しさが無くなるとサモナーズリフトに帰ってしまった、とも言い換えられるでしょう。

その一方で「ARURF(オール・ランダム・ウルトラ・ラピッド・ファイア)」や「ワン・フォー・オール」の両モードは初回開催以降もプレイ人口を維持し続けました。これはリプレイ性の高さとサモナーズリフトとの類似性が理由だと考えられます。「独自性に特化したモード」は決して「高いリプレイ性を持つモード」ほど興味を引き続けられないのです。モードチームはこの結果を受け、長期的プレイが可能な既存のゲームモードに注力しつつ、年単位で遊び続けられる新規モードを模索していくことに注力することにしました。

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チームファイト タクティクス

その直近の例が「チームファイト タクティクス(TFT)」です。長期的プレイに耐えうる他のモードと違ってサモナーズリフトのゲームプレイとは似ていませんが、そもそもTFTはリーグ・オブ・レジェンドの核となるゲームプレイに変化を加えたモードではありません。通常のようにチャンピオン1体を操作してスキルを使うのではなく、リーグ・オブ・レジェンドとして「オートバトル」という新ジャンルに取り組んだモードです。TFTを開発する上での目標のひとつは長期的にプレイできるモードを作ることだったので、ゲーム体験の幅を広く持たせること、そして最高に盛り上がる瞬間が生じることは非常に重要でした。言い換えれば、ワクワクしながら常に新しいことを試す・目指す余地があるゲームを作ろうとしていたのです。

TFTの核となるゲームプレイはサモナーズリフトやこれまでリリースしてきたモードとは根本的に異なります。このためか、多くの方は本モードをサモナーズリフトのランク戦の合間の息抜きとして遊んだり、スキル帯の異なるフレンドと一緒に楽しんだりする手段とされているようです。一方では、TFTをメインに遊ぶプレイヤーの方がいることも把握しており、これは同モードが一定以上の「深み」を備えているということなのだと考えています。

そしてTFTをプレイしてくださった皆さんからの反響が想像以上でしたので、かなり早い判断となりますがチームファイト タクティクスの常設ゲームモード化を決定しました!今後はほぼ毎パッチごとに変更を加えたり、複数の新チャンピオンセットを追加したり(ランク戦シーズンを運営したり)して本モードを継続的にサポートしていきます。

そして今後も支障なく物事が進むようであれば、いずれはまた全く新しいゲームプレイの新モードをさらに作っていくつもりです!

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ARURF(オール・ランダム・ウルトラ・ラピッド・ファイア)+

サモナーズリフト以外のゲームモードとしては最高の人気を誇る(現在はTFTがそれに並ぶ勢いですが)ウルトラ・ラピッド・ファイア(URF)ですが、今年の前半に初めてARURF+を実施した際にはかなり大規模な変更が入っています。今後はゲームプレイ面で加えた変更のうち、チャンピオンキャノン(チャンピオン発射装置)は残す方向で検討しています。試合のペースを早める働きがあることと、ビッグプレイを生み出す素地を作り出すことがその理由です。ドラゴンの強化(バフ)もエキサイティングな変更ではありましたが、早すぎる段階で確保できてしまうと効果が強烈すぎるため、ここには調整を入れる予定です。

しかし前回最大の変更点はゲームプレイ関連の変更ではなく、その開放期間の長さでした。それ以前のARURF開放期間は最大でも16日でしたが、前回は連続42日間もプレイ可能な状態だったのです。しかも同モードは最終日まで多くのプレイヤーにプレイされ続けた上、終了後はすべてが通常運転に戻りました。

LoLにおけるウルトラ・ラピッド・ファイア(URF)は毎回プレイヤーをワクワクさせるゲームモードの見本のような存在ですから、私としては今回、ウルトラ・ラピッド・ファイア(URF)が何らかの形で今年中にもう一度開放されるとお知らせできて嬉しく思います。

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ネクサスブリッツ

ネクサスブリッツは、長期間にわたり遊ぶことができる新常設ゲームモードを模索する取り組みから生まれた最初のモードです。しかし以前お話しした通り、ネクサスブリッツはローンチ後数週間こそ盛り上がりましたが、その後は急速にプレイ人口が落ち込みました。ただ、継続的プレイ人口の点では常設モードに求められる水準に達しなかったものの、年に何度か開放するゲームモードとしては極めて高い魅力を備えているのも事実です。というわけで、あのワクワク感とゲーム内報酬をひっさげてネクサスブリッツは帰ってきます。復活の時をお楽しみに!

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ランダムミッド

昨年のパイク/ビルジウォーターイベントでランダムミッドに実験的要素を導入したのを覚えている方も多いと思います。あのイベントにはゲームプレイの変更が異なるプレイヤー層(カジュアルとハードコア)にどのような影響を与えるか判断する意味が込められていたのですが、結果を振り返ってみると、あの種の変更を加えてもランダムミッドのプレイ量・プレイスタイルには大した影響がないことが判明しました。一方でランダムミッドを強く愛するプレイヤーの皆さんからは、同モードにサモナーズリフトと同じようなバランス調整・改善が入ったことを喜ぶ声が届きました。

そこで今年のビルジウォーターミニイベントでは、ランダムミッドに更なる変更を加えました。中にはランダムミッド専用のサモナースペルを追加するなどの大胆な変更点もありましたが、それ以外はルーンやチャンピオンのバランス調整を主としたシンプルな変更です。変更内容の詳細な振り返りはこちらでご覧いただけます。

このときは、ランダムミッドのバランス調整の部分で想像以上の結果を出すことができました。バランス調整前はかなり不利だったチャンピオンもやり方次第で勝負ができるレベルになり、「来れば勝てる」レベルだった強いチャンピオンも以前ほど楽勝とはいかなくなっています。ランダムミッドは長い間チャンピオンの優劣が固定されたままのモードだったため、変更直後はプレイヤーの皆さんが新たなバランスへの順応に苦労する面もありましたが、長期的・総合的に見れば本ゲームモードのプレイ体験は向上させられたではないかと思います。これを受け、私たちは今後数パッチ間隔でランダムミッドのバランス調整を継続し、年に1回程度の頻度で大規模な変更を加えることを決定しました。これは先述の「長期的プレイが可能な既存のゲームモードに開発リソースを集める」という新方針に沿った判断でもあります。

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ツイステッドツリーライン

※(訳注)日本サーバーでは現在、ツイステッド ツリーラインはカスタムおよび特定のイベント期間中のみの開放で、ノーマルやランクは開放されていません。以下は北アメリカなど海外サーバーの状況を参考用にお知らせするものです。

ここのところ従来よりもランダムミッドに注力してきたからか、一部の方からは「ツイステッドツリーラインは?」という質問が寄せられていました。ツイステッドツリーラインはかなり早い段階で導入されたゲームモードのひとつで、リーグ・オブ・レジェンドのプレイヤーにサモナーズリフト以外のマップ、全く異なるメタのMOBAゲーム体験を楽しんでもらうモードとして存在し続けてきました。一方でツイステッドツリーラインは慢性的なプレイ人口不足に悩まされてきたモードでもあります。新アイテムを追加しても、チャンピオンのバランス調整を行っても、(もうかなり昔ですが)2012年にマップデザインのアップデートを実施しても状況は好転しませんでした。最近のプレイ人口は「2回目のネクサスブリッツ開放期間の後半よりも少ない」状態にあります。プレイ人口の少なさは対戦待ち時間の増加とマッチメイキング品質の低下につながり、究極的にはツイステッドツリーラインをプレイしようする多くのプレイヤーは満足感のある「対戦ゲームとしてのプレイ体験」を得られない状態になっています。

プレイヤー人口以外の点でも、ツイステッドツリーラインのアート、マップデザイン、ゲームの進展速度などが現在の品質水準、そしてプレイヤーの期待値に届いていない状態にあります。社内で行った議論では「ランダムミッドと同規模の対処を行えば現在の品質水準に届くかもしれない」という予測もありましたが、先述のマップデザインアップデートにかけた労力とその成果を考えると、そのレベルの対策ではツイステッドツリーラインを健全な長期的ゲームモードにすることはできないという結論に至りました。このためツイステッドツリーラインは今シーズンの終了をもって廃止となります。かつてドミニオン廃止の時もそうでしたが、長年リーグ・オブ・レジェンドを支えてくれたゲームモードが無くなるのは辛いものです。しかしながら、開発チームがより大きなゲームモードに注力し続けていくためには、リーグ・オブ・レジェンドにとってこれが最善の決断であると考えています。

もちろん今シーズン終了時の褒賞はツイステッドツリーラインでも獲得可能ですので、ツイステッドツリーラインのランク戦でゴールド以上のプレイヤーは「勝利の栄光」スキンを獲得できます。ただし今シーズン、ツイステッドツリーライン限定クロマはありません。過去のシーズンにおいてツイステッドツリーラインを普段プレイしない方々がこのクロマの入手のためだけに連続プレイすることがあったので、「愛したマップ」の最期をそういった状態で迎えるのを避ける措置だとお考えいただければ幸いです。

またツイステッドツリーラインの廃止後には、同モードを特に熱心に遊んでくださったプレイヤーの方々にちょっとしたお礼を贈呈する予定です。なお適切なプレイヤーを選出するため、選出条件は本日よりも前にプレイされた試合数に基づいて決定させていただきます。詳細は追って告知させていただきます。

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その他のゲームモードと今後

今回取り上げなかった既存のゲームモード…たとえばワン・フォー・オールなども、長期的なモードとしてのポテンシャルを見出した際には復活させたいと考えています。これらのゲームモードはリーグ・オブ・レジェンドの核となるゲームプレイをベースとしながらも楽しく新鮮な体験を提供するものだと考えていますし、ユーミ5体で戦ってみたいと思っている方は大勢いると思いますから。一方で、長期的モードとなりうるポテンシャルを秘めた新たなゲームモードのアイデアも模索し続けていきます。

以上、ゲームモードの現状でした。今後も皆さんにリーグ・オブ・レジェンドを丸ごと楽しんでもらえることを願いつつ、記事を締めさせていただきます。ランク戦での活躍と、TFTであなたのチャンピオンが3つ星になることを祈りつつ。



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