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Quick Gameplay Thoughts 7/23

アクシャンが蘇生能力を持っているのはなぜ?

Dev作者Riot Jag
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こんにちは、Jagです。サモナーズリフトチームのリードゲームデザイナーになる前、私はチャンピオンデザイナーで、最後に取り組んだプロジェクトがアクシャンでした(Riot Twin Ensoと共同制作)。今回は彼について少しお話ししたいと思います。

アクシャンはミッドレーンのマークスマン/アサシンで、ローム(持ち場のレーンを離れて戦闘をすること)と少数戦闘を行うことで試合前半を攻撃的にプレイする設計になっています。彼の長所は以下のようになっています:

  • グラップルフックによる機動力とステルス能力を駆使して、対象への到達とフランキング戦術(マップ上の位置取りとして側面から攻撃すること)を行う
  • アルティメットによる、長射程のキルプレッシャー
  • 倒れた味方を蘇生する、独自のユーティリティー
  • エンゲージの主導権を取れる能力とシールドにより、戦闘のかなりの部分を1人でこなせる
  • 特にスノーボールした時に強力なバーストダメージ
  • 「悪党」を狩る際に得られる増加移動速度で、トップクラスのローム時間を持つ

以下は彼の設計に組み込まれた弱点です:

  • 味方を蘇生するためには敵をキルしなければならない(最も危険な行為になることが多い)
  • (特にグラップルフックをボディブロックできる、攻撃的な近接チャンピオンに対して)攻撃を受けてからの防御が弱い
  • マークスマンの中では継続ダメージが最低の部類
  • マークスマンの中では攻撃射程が最短の部類
  • 試合進行にしたがって与ダメージが大きく落ちる
  • 集団戦での与ダメージがひどく頼りない
  • 行動阻害能力がなく、不利を背負うチームでは非常に価値が低い

とはいえ、皆さんがここで期待しているのはこういった話ではなくて…「彼の蘇生能力がどれだけ強力なのか理解しているのか?」という疑問への答えですよね。

私の回答としては──わかりません。

そして大事なのはそのことです。

チャンピオンデザイナーとしての私たちの仕事は、今までになく革新的な方法を用いて、プレイヤーのワクワクが止まらない新チャンピオンを作ることです。プレイ時間をつぎ込んで、新しい使い方を発見しプレイの最適化を行う価値があるチャンピオンなのかどうか。チャンピオン選択を通じて、新チャンピオン制作が成功だったかを決めるのは、プレイヤーである皆さんです。さらに言えば、コミュニティーの皆さんによってのみ最適化されるチャンピオンこそが、最高のチャンピオンであると私は感じています。チームが社内のプレイテストのみで最適化を完璧に終えてしまったなら、十分な内容ではありません。たくさんのプレイヤーが新チャンピオンを触ってみて、やみつきになったり諦めたり、新しいメインとして志したり…最終的にコミュニティーが新チャンピオンをプレイするようになるのを見るのが、私にとってはチャンピオン制作プロジェクトで最高に面白い部分なのです。

ですので、アクシャンの蘇生能力については、正確な強さは私たちもわかりません。すぐに戦闘に飛び込んでいってデッドを繰り返すであろう味方1人だけを蘇生させることもあるでしょう。クアドラキルを決めた悪党をアクシャンが1人でやっつけて味方全員が蘇生し、そのまま相手のネクサスを破壊する試合もあるでしょう。このメカニクスが持つ可能性はわかりますし、それこそがこの効果に制約をつけた理由です(最初の悪党を倒すと、悪党マークはすべて消えるなど)。しかしライブサーバーでのデータが十分に溜まるまでは、蘇生がどのくらい強いかを正確に把握することはできません。

続く質問としては、「どうしてそんな危険な実装をするのか?」になるでしょう。「新チャンピオンのデザインは常に独特で、面白く、新しいものである必要があるから」というのが私たちの回答になります。蘇生ほど鳴り物入りでない新規要素であっても、同じパターンとビルドを使う同一ロールで1対1の繰り返しを積み重ねる価値があります。リスクを取らなければ、キル獲得でリセットされるアルティメットや、リロードを止める必要のあるマークスマン、弾を叩き落す風使いのサムライは実装されなかったでしょう。それ以上に、LoLが核としている個性のひとつが「変化」です。それはデザインそのものに限らず、私たちのデザイン方法にも適用されます。作ったものが成功することもあれば、失敗することもあります。失敗した時は、目指すものにたどり着くまで私たちは試行を繰り返し、変更を続けます。

最後に、私たちがよく耳にするのは「蘇生能力がもっとふさわしいサポート系チャンピオンでなく、アクシャンに実装されなければならなかったのはなぜ?もっと戦闘で強い方が好きなんだけど」という質問です。「チーム向けユーティリティー能力の余地を模索することになったのは、キャラクターとしてのアクシャンに合っていたから」というのが前半の質問への回答です。彼は込み入った事情のあるヒーローで、LoLに登場するまでたどってきた道にも紆余曲折があります。独力で生きてきた彼ですが、たとえ厳しい代価を強いられたとしても、周囲の人々を助けつながり合いながら生きていきたいと今は思っているのです。

もちろん、それ以上の話もあります──蘇生はゲームプレイ面でも納得のいくものである必要があります。プレイヤーはプレイしていて楽しいチャンピオンについて話すだけでなく、相手にして楽しいチャンピオンについてもたくさん会話します。これら2種類のリストから多いものをピックアップしていますし、今後のフォローアップに関する会話もそこに多くが集中すると予想していますが、一緒にプレイしていて楽しいチャンピオンとしてのアクシャンのデザインについてもお話しさせてください。

LoLはチームが協力するゲームです。勝利にはチームワークが必要です。極端に利己的なキャラクターのアーキタイプ(アサシンとマークスマンが重なるところ)をデザインするに当たって、そのようなキャラクターがやりたくなるプレイでチームに貢献させる方法を見出すのは、至難の業でした。チームに合流せず、悪党を狩るために敵の領域深くにいるアクシャンを見た時、それでも彼はチームの一員で、彼が何のためにそうしているのかを理解していれば支援できる、というのがとても重要なのです。

単に個人のKDAを積み重ねるのではなく、悪党を狩ることで味方チームを助けるというアイデアは、アクシャンが提供するユニークなプレイとして重要なもののひとつです。ヘンリー・フォードの名言を借りれば、「アサシンに欲しいものを尋ねれば、柔らかい敵をもっとうまくキルしたいと答えただろう」です。全員が気に入るチャンピオンはありませんが、チームを助けたいマークスマン/アサシンをプレイするのが好きになる人は必ずいると思っています。それが、LoLに導入された新しい体験なのです。アクシャンの価値はそこにあります。



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