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中規模アップデートの流れ、レルの進捗、そして今後の中規模アップデートのロードマップ。

Dev作者Riot Yasuna, Riot Raptor
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LoLプレイヤーの皆々様、こんにちは。私はTerra “Riot Yasuna” Ray、サモナーズリフトチーム(皆さんが親しみを込めてバランスチームと呼ぶあのチームです)のプロデューサーで、普段はチームの皆が開発プロセスを順調に、そして組織的に進めていけるよう日々支援しています。また中規模アップデートのデリバリーリードも兼任しており、最近はチャンピオンチームの中規模アップデートリリースにも携わっていました。今回はまさに、この中規模アップデートのお話ですね。

さて、昨年Augustが"本来のイメージを体現できていない"チャンピオンに中規模アップデートを実施していくとお知らせし、その後も進捗報告はしてきましたが、あれから詳細なお話はしばらくできていませんでした。そこで今回は、まず中規模アップデートの一般的な開発プロセスに焦点を当てて解説し、後半ではチャンピオンチームのゲームデザイナーStephen “Riot Raptor” Aukerにレルのアップデートについて紹介してもらおうと思います。

中規模アップデートのプロセス

それでは開発の流れを紹介…する前に、意義のおさらいから。中規模アップデートとは、長い年月の間に"輝きを少し失ってしまった"、あるいは問題要因を生み出しているチャンピオンに必要なアップデートを提供することを主目標としています。この目標はアップデート対象を選定する時、そしてスキルセットの変更点を検討する時にもブレないように意識し続けます。船乗りにとっての北極星のようなものです。

中規模アップデートは他のチャンピオンアップデート(ASUやVGUなど)とは異なる独特のプロセスを取っており、基本的には次の4つのフェーズに分かれています:

  1. ふさわしい機会の特定:データと情熱の両面を考慮しながらアップデート対象を選定します。考慮する事項にはプレイ率が全体的に低下傾向にある、愛好プレイヤーがプレイしなくなっている、現在不健全な状態にある、などがあります。最終的にそれを認識したチームメンバーの誰かが"このチャンピオンは現在、私たちが実現したいプレイヤーイメージを体現できていない、これを解決したい"と提案することでスタートします。
  2. アイデア模索とスキルセット確定:実験の始まりです!まずアイデアを紙に書き出していき、特に良い案をゲームに組み込んでプレイテストし(1日2回以上)、フィードバックに基づいて調整を重ねていきます。
  3. プランニングと全体調整:アイデアが ちょうどいい具合(手触りが良くなってきた段階)になってきたところで、変更した内容の全体像を確認していきます。この段階ではアートとゲームプレイアナリシスチームを招き入れ、変更点の相対的なパワーレベル変化、考察、俯瞰的ゲームプレイ分析などを出してもらいます。
  4. イテレーション、改良、作り込み: プレイヤーに届けるべく、完成させていくフェーズです。とはいえメンバーの多くは別途新チャンピオンの開発や別の中規模アップデートにも携わっているため、この段階では各参加メンバーのプロジェクト関与時間を確保するのが難しくなります。

チームでは年間スケジュールを共有し、"愛を注ぐべき"チャンピオンたちを継続的にアップデートしていけるようにしています。アイデアを実際に具現化させるのは大変な仕事です。だからこそ私たちは、やるからにはきちんとやりたいと考えています。以上、中規模アップデートの開発プロセスでした。読者の皆さんに少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。では続いて、Riot Raptorにレルの進捗を伝えてもらいましょう!

鋼鉄の乙女の中規模アップデート

皆さん、こんにちは。Riot Raptorです。レルの中規模アップデートではゲームデザイナーを担当しています。今回は彼女の中規模アップデートの進捗を紹介します。

乗馬状態と下馬状態を切り替えて戦うというレルのイメージ/プレイスタイルはとても面白いものです。そして彼女は強力なチャンピオンでもあるのですが、現在はWを外した時のリスクが極端に大きくなっているようにも感じられます。さらにその動きはあまり"騎馬にまたがった槍兵"らしくありません。これはつまり、彼女が本来持っていたイメージは、本当は今よりも多くのプレイヤーに響くものだったということです。このような理由から、レルは中規模アップデートの候補リストで上位に入っていました。

レルの"ポテンシャルを発揮する"ために開発チームが設定した目標は以下の通りです:

  • 乗馬/下馬のイメージを強調する: レルにスピード感を足す。騎乗中は敵を力強く追撃できるプレイ感覚、下馬状態では凄腕の戦士らしいプレイ感覚を目指す。
  • プレイパターンのバリエーションを増やす:レーン戦とチームファイトの両方で、"Wを当てる"以外のプレイパターンを作る。また、下馬した後も有益なアクションができるようにする。
  • プレイの快適性を下げている要因を解決する:レルのスキルセットにはいくつかフラストレーションを生む要因(ワード破壊が苦手すぎる、単身時にWが使えない、後続の敵に対するQの威力が下がるなど)があるというフィードバックが寄せられているため、それらをできる限り低減していく。

ゲームデザインチームは様々なアングルからレルの中規模アップデートに挑みましたが、この時にピンとくる新案が浮かんだのはEのみでした。…というわけで、Eは完全刷新されます。ちなみに採用となった案はレルの初代担当ゲームデザイナーStash “Riot Stashu” Chelluckが当時検討していたもののひとつです。

実はレルの開発中、騎乗中の移動速度は今よりもずっと高速で、そのため当時は"int horse"(意図的な無謀行為の馬)という愛称で呼ばれていました(プレイスタイルとしてはメチャクチャに楽しいものでした)。このため今回の中規模アップデートでは、"どうしたらレーン戦中にロームさせまくることなく、速く"感じられる"ゲームプレイを実現できるか?という課題に取り組むことになりました。

また、"下馬状態の力強さをどう表現するか"についてもさまざまな案を試しています。たとえば3ヒットの自動効果(全チャンピオンで一度は試すんです、そういう規則なんです)でWのクールダウンがリセットされ、乗馬と下馬を繰り返し続けられる、という案なども試しました。これはかなり楽しかった(少なくともレル側視点では)のですが、形態の違いを明確に表現するという目標は達成できていませんでした。

最終的には乗馬中/下馬中の両状態でQを強化してインパクトを高め(旧Eのスタン効果を付与、効果は残しつつE以外に移動したかったため)、下馬状態の攻撃速度と射程距離を強化し、自己スロウを軽減し、混沌を極める戦闘の中でも頼りにしたくなる形態を目指しています。

現在はVFX、SFX、アニメーションの仕上げを進めながらバグを修正しているところです。またサポート以外のロールの可能性についても検討しています(これは本来の目標外で、今後もメインロールはサポートを想定)。レルについては、おそらく次の進捗をお知らせする前にリリースすることになるでしょう。一刻も早くサモナーズリフトを全力疾走して欲しいですからね。

というわけで私はここまで。締めくくりはRiot Yasunaにお願いします!

中規模アップデートのロードマップ

今年はたくさんの中規模アップデートが予定されています!かなり長い時間をかけて進行してきたもの、トントン拍子に進んだものなどがありますが、ここでは各プロジェクトの進捗についてざっくりとお知らせしていきたいと思います。

まずはユーミです。彼女の現状については、様々な懸念や不満が寄せられており、私たちは一連の大型ナーフを加える判断を下した上で、彼女を中規模アップデート候補のリストで特に優先すべき対象に指定しました(先日のユーミのリワークは"中規模"ではありませんでした。とはいえ必要リソースの一部は共通していますが)。一方、ニーコやレルなど、中規模アップデートを発表してからしばらく経つチャンピオンたちはまだリリースに至っていません。

特にニーコはしばらく前にスキルセットとアートが確定しているものの、技術的な面での対応にもう少し時間が必要な状態です。ニーコは以前から(そのユニークな特性に起因する)問題を抱えており、比較的多数のバグを抱えていました。実際、技術的問題の解決とメンテナンス性向上は彼女の中規模アップデートの第2目標にも設定されています。言い換えれば、既知のバグをしっかりと潰し、今後新たなバグが発生したときの修正も速やかに行えるようにする、ということです。

一部の中規模アップデートについては具体的な日程はお知らせできませんが、今後もできる限り早くお届けできるよう鋭意開発を進めていきます。とはいえ、直近の中規模アップデートリリースはニーコ、レル、そしてアイバーンとなる予定ですのでご期待ください。なおアイバーンの中規模アップデートでは、主にデイジーに注力していますが、こちらもリリースが近くなったら詳細をお届けする予定です。おなじみのチャンピオンたちの新しいゲームプレイを皆さんにお届けする日が今から楽しみです。

今回は以上です!最新の進捗情報はいかがだったでしょうか?次回もどうぞお楽しみに。

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