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Quick Gameplay Thoughts 9月10日

ゲームプレイアナリシスチームの仕事

Dev作者Riot Afic
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皆さん、こんにちは!今回はゲームアナリシスチーム(旧名:プレイテストチーム)についてお話ししたいと思います!私たちはゲームプレイの開発チームといっしょに働いていて、新規コンテンツ──新チャンピオン、新アイテム、新ルーンなど──をプレイヤーがどのように活用するか、変更がLoLのプレイ全体にどのような影響を与えるか、といったことを理解する役割を担っています。よく聞かれるのは「1日中ゲームをプレイしているだけで給料をもらっているの?」という質問です。確かにゲームをプレイするのは私たちの仕事の大きな部分を占めていますが、私たちが本当にやっているのはゲームプレイの「分析」であって、プレイテストは私たちが持っている多くの手段のひとつに過ぎません(なのでチーム名が変わりました)。実装前にコンテンツの影響を測る方法について興味がある方なら、今回の記事はまさしく打ってつけだと思います!

仮に、たとえば「プローラー クロウ」の発動効果がダッシュではなく、ブリンクだったら?実際、開発初期にはそうだったことがありました。実装後数ヶ月経った時、プレイヤーがそれをどのように使っているかを予測するのが、私たちの任務です。作業は以下のように進めていきました。

理論構築

  • 最初に、「プローラー クロウ」を使うと圧倒的な強さを発揮するだろうチャンピオンを想定します。すぐに思いついたのは、パイクです。発動効果のブリンクとEを組み合わせることができ、クールダウンがかなり短い上に、カウンタープレイの余地が少ない確定スタンになってしまいます。

プレイテスト

  • 次に、実際のゲーム内で試してみて、どのくらいの強さになるかを見極めました。チームに所属するチャレンジャーティアのパイクプレイヤーにテストしてもらい、パイクがどうなるかを調べました(チームの平均ランクは、ダイヤモンド2前後です)。

分析

  • 「プローラー クロウ」の挙動をゲーム内で見た後、リプレイを見て影響の大きな瞬間を特定します。その結果、以下のような複数の想定が導き出されました。

フィードバックを伝える

  • 最後に、わかったことをデザイナーに示して、影響を議論しました。このコンボには十分な欠点がなく、パイクのEに対するカウンタープレイをあまりにも簡単に消し去ってしまいます(たとえばフラッシュには、少なくとももっと長いクールダウンがあります)。「プローラー クロウ」使用者の移動経路追跡を難しくしてしまう問題もありました。より高い技量を持つプレイヤーなら、それ以外のプレイヤーよりもこのアイテムを活用して成功できるだろう、というのが私たちの予測でした。パイクは「プローラー クロウ」を悪用するかもしれない使い手の例にすぎません。他にもリー・シンのRやポッピーのEなど、このブリンクを組み合わせるコンボも考えられましたが、プレイヤーを守るためのよくないゲームプレイの最も明らかな例がパイクだったのです。結果として、「プローラー クロウ」のデザイナーはブリンクをダッシュに変更しました。

すすぎを繰り返す

  • ゲームに導入したくないプレイパターンを特定した後は、新しいバージョンの「プローラー クロウ」をテストしなければならないので、さらに検討を行うべく上で述べたサイクルを繰り返しました。このプロセスを何度も繰り返すと、さまざまな角度から問題を考察できるので、新規コンテンツや変更がLoLに与える影響を深く理解するために役立ちます。

要約:新チャンピオン、新アイテム、新ルーンなどについて、考えられるリスクや活用方法を具体的に予測するのが、私たちの仕事です。時々、「これに気づかなかったのはなぜ?」とか「これをそのまま実装させたのはどうして?」という疑問を抱く人も出てきます。LoLというゲームを発展させ続けるため、デザイナーには適切なリスクを取っていてほしい、と思うことがしばしばあります。こうしたリスクを取った時、常にうまく行くわけではありません。ですが、リスクを取ることをやめてしまったら、LoLはすぐにつまらないゲームになってしまうでしょう。定期パッチでのチャンピオン単体のナーフなど、小さな範囲の変更であっても、意図しない副作用が生じないかどうか、簡単なチェックを行うことはよくあります。その変更が「やりすぎ」なのか「効果が出ない」のか、考察を共有することもあります。チャンピオンやアイテムを対象とする小さな変更は、低リスクを意図したわずかな調整なので、ほとんどの場合は大規模な分析を必要としません。

アクシャンの蘇生能力のように、壮大なアイディアについては、詳細な分析を行います。私たちの仕事は、デザイナーに「やってもいいこと」や「できないこと」を命令することではありません。デザイナーはLoLの限界を押し上げるために挑戦しますが、私たちの仕事はデザイナーが作った変更がエコシステムの中でどのようになるかを予測することです。言い換えると、私たちはリスクを示し、プレイヤーが学習を終えた半年後にそのアイディアがどうなっているかを予測することで、リスクを取った結果を示します。

以上が、私たち「ゲームアナリシスチーム」がやっている仕事の大部分です!LoLについて考えたり議論したりするのが大好きというエリート帯のプレイヤーだったら、私たちの仕事に興味を持ってくれているかもしれませんね。求人情報を欠かさずチェックしてもらえれば幸いです。



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