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ゲームモードへのアプローチに関する最新情報と、次に登場する新モードの先出し情報をお届けします。

Dev作者Riot Sakaar, Riot Maxw3ll, Riot Cadmus
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皆さん、こんにちは!ゲームモードチームの新たなプロダクトリード、Riot Cadmusです。

ゲームモードの現状に関する前回の投稿からだいぶ時間が空いてしまいましたが…その間に数多くの進展がありました。今回は、これまでにどのような変更が行われたのか、そして2023年以降にどのようなゲームモードが登場するのかについてお話しします!

まずは私たちチームの目標についてお話ししておこうと思います。

  1. 核となるLoLのゲーム体験に変化をもたらす斬新なゲームプレイを作り出す(ARURFやアルティメット スペルブックなど)
  2. 個性あふれるLoLチャンピオンたちを使い、まったく新しい発想で新たなプレイ方法を模索する(後半にご紹介している新モードなど)

新要素について見ていく前に、既存のゲームモードについてお話ししておくことがあります。残念ながら、新モードの開発に集中するため、既存のローテーションモード(URF、ARURF、スペルブック、OFA)のサポートを一旦止めなくてはなりません。つまり、新ゲームモードがリリースされる今年の夏までは、ローテーションモードが登場しないということになります。がっかりする方もいると思いますが、2v2v2v2モードのリリースが完了したら、今年中に復活させるつもりです。

それでは、直近の開発状況について詳しく見ていきましょう。ここからは、Riot Maxw3llが私たちのプロジェクトについてお伝えします。

ランダムミッド

皆さん、こんにちは!モードチームのデザインリード、Riot Maxw3llです。今回は私たちが現在作業を行っているプロジェクトの最新情報と、将来登場する新ゲームモードの先出し情報をお届けします。さっそく始めましょう!

昨年末、私たちはランダムミッドのアップデートを実施し、マップにいくつか新要素を追加すると共に、バランス調整の方針を変更しました。

これまでずっと、ランダムミッドはピック率においてもパワーレベルにおいても、ポークチャンピオン、ADC、エンチャンターに有利な状況が続いていました。そのため、近接攻撃チャンピオンでは楽しめない環境となってしまっていました。また、タロンやケインのようなチャンピオンは利用できる地形が少ないために、スキルの一部を活用できないという課題も存ありました。そして何よりも問題だったのは…ランダムミッドがリリースされたのは2012年で、新鮮さのない状態が目立っていたということです。

そこで、これらすべての問題に対処すべく、いくつか変更を行いました。

フロストゲート

フロストゲートには2つの狙いがありました。「挟み撃ちを仕掛けたいチャンピオンにそのチャンスを用意すること」、そして「近接攻撃チャンピオンが最も脆弱なタイミングである、試合序盤に倒された際のデメリットを低下させること」です。

これらの変更を実装した後、ランダムミッドをプレイした多くのプレイヤーにアンケートを取ってみました。ほとんどのプレイヤーはこれらの変更を気に入ってくれました。ですがフロストゲートに関しては、全体的な“試合の流れ”に悪影響があるという意見が多く寄せられました。これはどういうことかというと、出撃地点からタワーまで素早く移動できるようになったことで、試合序盤が非常に慌ただしくなったのに対し、デスタイマーが長くなったことで、終盤では試合のペースが大幅に遅くなっていたのです。場合によっては、1回の集団戦で唐突に試合が終わってしまう状況も生まれていました。また、延長後のデスタイマーは待ち時間が長すぎるという意見もかなり見られました。

全体として、フロストゲートの追加は良かったと考えていますが、デスタイマーをパッチ12.22の長さに戻したりするフォローアップを行うつもりです。これらの変更は、パッチ13.4でのリリースを予定しています。それでも試合時間の問題が解決しなかった場合は、フロストゲート自体の見直しを行います。

バランス調整のバフ

数年前から、ランダムミッドでチャンピオンごとにバランス調整を行うようになりました。ですがメリットはあったものの、堂々巡りの状態が続いていました。そこで、基本ダメージの調整を行うことなく苦戦中のチャンピオンを手助けするため、バランス調整の手法自体を変更し、行動妨害耐性やスキルヘイストなどのステータスを補正することにしました。

この変更はかなり上手くいき、ソナやセラフィーンといったチャンピオンが強すぎる、あるいはポーションと同じペースで回復できるという状態になることなく、妥当なレベルで回復できるようになりました。とはいえ、まだ苦戦しているチャンピオンは存在します。たとえばルブランの場合、ダメージ強化を行わなければ、ランダムミッドでほぼ使えない状態になってしまっています。

アップデート以前よりは良い状態になっていますが、まだまだ対処すべき課題が残されています。

今後も積極的にバランス調整を続けつつ、バランス調整に対する別のアプローチやツールについて模索していきます。現在私たちが検討しているのは、各“バランスレバー”の調整幅に上限を設けることです。弱体化の場合が特に顕著ですが、ひとつの方向に行き過ぎてしまうと、そのチャンピオンの全体的なゲームプレイ体験が大幅に損なわれてしまいます。

フロストゲートをはじめとするマップの変更を行ったことで、多くのダメージベースのバランスレバーを元に戻すことが可能になりましたが、それでもまだまだ調整が必要です。私たちの目標は、純粋なダメージ(または回復)の数値のみでランダムミッドを調整しなくてもいいようにすることなので、今後もクリエイティブなやり方でチャンピオンに強化や弱体化を行えるように、新たな手法の模索を続けていきます。

タワーの瓦礫

ランダムミッドで最も意見が割れる調整となったのが、タワー崩壊後に残る瓦礫の追加でした。

アンケートの結果を見ると、ランダムミッドに行った変更は、全体としては好意的に受け取られていました。しかし、タワーの瓦礫に対する評価は低かったのです。その理由について色々と考えてみましたが、結局のところ、ランダムミッドを必要以上に変化させてしまったことが原因だと思います。チョークポイントと視界が戦闘の駆け引きの中心となり、ランダムミッドのプレイヤーが好きだった普通の集団戦による駆け引きが少なくなってしまったのです。

そこで、今後のパッチにおいてタワーの瓦礫のメカニクスを大幅に縮小するか、完全に削除してしまおうと考えています。これらの変更がリリースされるまで、皆さん(そして私たち)が思っている以上に長い時間がかかっていますが、できる限り早く変更を導入できるよう尽力を続けていきます。

ランダムミッド好きの皆さんに今後も楽しくプレイしてもらえるよう、何度もリワークを行うのではなく、核となる体験に影響する問題の解決を優先するようにします。ランダムミッドに対する要望やご意見があれば、ぜひともお聞かせください!

次のゲームモード

数週間前に、Riot BrightmoonとMeddlerが開発中の2v2v2v2ゲームモードについて話していましたが、それについてもっと詳しくお伝えしたいと思います。それでは、「冗談みたいなゲームモードだからコードネームは付けないよ」プロジェクトについて見ていきましょう。

前述のように、私たちチームの目標はサモナーズリフト以外を舞台としたゲームプレイ、そしてLoLの核となる体験とは異なるゲームプレイを模索することです。それらを踏まえ、このモードには以下のような狙いがあります。

  • プレイヤーがチャンピオン同士の戦闘を素早く楽しめるようにする
  • 従来のLoL以上にチャンピオンのカスタマイズを可能にする
  • デス中の待ち時間やフラストレーションを感じる時間をできる限り少なくする

この2v2(v2v2)モードについて詳しく説明すると、2人1組の4チームがチャンピオンをピックし、デスマッチスタイルの複数のラウンドで、2チームずつに別れて対戦していきます。チャンピオンのパワーは試合が進むにつれて増加していきます。戦闘ラウンドの合間にアイテムの獲得やレベルアップがあるほか、「オーグメント」と呼ばれる特別なパワーも入手できます。チームは一定数のラウンドに敗北すると敗退となりますが、その後すぐに対戦待ちすることが可能です。どこかで聞いたことがある気がする方は、きっとTFTの「ダブルアップ」をプレイしたことがあるのでしょう。このモードは、まさにダブルアップモードからインスピレーションを得て、それをLoL化したものなのです。

ここしばらく新ゲームモードが追加されていなかったので、もっと詳しい話を聞きたい方が多いかと思います。しかし残念ながら、常に変更を繰り返している状態なので、具体的にお話しできる確定した要素はほとんどありません。とはいえ、このLoL版「オーグメント」について、私たちの考え方を簡単にご紹介しておいてもいいかもしれません。先程言ったとおり、変更される可能性は高いですが、それでよろしいですか?わかりました!

2v2augments.png

オーグメントは大幅なパワーアップとなるもので、チャンピオン固有のビルドを生み出すことを狙いとしています。プレイヤーはチャンピオンの核となる強みを伸ばすか、あるいはそれ以外の力を伸ばすかを選択できます。この狙いは、チャンピオンの能力に多様性を生み出し、クールでユニークな戦闘で作り出すことにあります。現時点では、以下のオーグメントのプレイテストを行っています。

  • サイラスが5秒ごとにリサンドラのWを使用できるようになる
  • エコーの射程距離が500になる
  • カイ=サが敵チームに向かってダイブして、即座にデスするものの、その後に巨大な爆発が発生して、敵2体の残り体力を大幅に低下させる


影響力の高い多種多様なオーグメントを現在も開発中です。ですが、まだまだ変更される可能性があるので、これはちょっとしたプレビューだと考えておいてください。

磨きをかけるために皆さんをお待たせするよりも、できる限り早く新たな体験を提供したいと考えているため、このゲームモードは試作の状態でリリースするつもりです。リリース時まで可能な限り磨きをかけておきますが、皆さんが思っている以上に不具合を目にすることになるかもしれません。この試作品が皆さんに好評であれば、改善を行って将来再びリリースすることになるでしょう。今年の夏のリリースを予定していますので、ぜひプレイして感想をお聞かせください!

ゲームモードの過去未来

ランダムミッドと新たな2v2v2v2モードについてお話ししましたが、次はもう少し遠い未来に目を向けて…過去のゲームモードに注目してみましょう。

ローテーションゲームモード(URF、ARURF、スペルブック、OFA)

冒頭でお伝えしていたように、現在私たちは今年の夏にリリース予定の新モードに集中しているため、既存のモードのサポートを一旦停止する必要が出てきています。LoLの変化に合わせて、これらのモードも継続的にアップデートしなくてはならないのですが、新チャンピオンの追加、チャンピオンやアイテムのアップデート、表には出てこない内部的な変更など…チームはこれらすべてに時間と労力を割く必要があります。現時点では、新ゲームモードをできる限り早く皆さんにお届けすることの方が重要だと考えています。

誤解のないようにお伝えしておきますが、これらのゲームモードは今年中に復活します。ただし、新ゲームモードのリサーチや開発を進めつつ、これらのモードに継続的なサポートを提供する準備が整ってからとなりますので、恐らく今年の後半になるかと思われます。

2023年のいつごろ復活するのか、具体的な予定を現時点ではお伝えすることはできませんが、これらのゲームモードに対する私たちのアプローチが固まり次第、改めて情報をお伝えするつもりです。

ネクサスブリッツ

2022年中にネクサスブリッツを再リリースするとお約束していましたが、様々な出来事が理由で実現しませんでした。しかし、私たちは約束を忘れたわけではありません。現在は開発に必要なスタッフも揃っているので、ネクサスブリッツのリリースに向けて、このモードの再始動に時間を割いていくつもりです。

次回もお楽しみに

現時点では2v2ベースの新ゲームモードのリリースに集中していますが、それで終わりではありません。今後もさらなる試作モードが登場しますのでご期待ください。すべてが計画通りに進むことはないかもしれませんが、LoLを様々なプレイ方法で楽しめるゲームにして、皆さんにMOBAの新たなホームとなるゲームモードを見つけてもらえればと願っています。皆さんに新たなゲームモードを楽しんでもらうのが今から待ちきれません。また、今後どんな新モードがLoLに登場してくるのか、私たちと同じくらい皆さんにも期待していただければ幸いです!



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